Go by Example: Context

前回は、簡単な HTTP サーバー をセットアップする例を見ました。HTTP サーバーは、 キャンセルを制御するための context.Context をデモするのに便利です。Context は、API 境界やゴルーチンをまたいで、期限やキャンセルシグナル、 その他のリクエストスコープの値を受け渡します。

package main
import (
    "fmt"
    "net/http"
    "time"
)
func hello(w http.ResponseWriter, req *http.Request) {

context.Contextnet/http によってリクエスト毎に 作られ、Context() メソッドで取得できます。

    ctx := req.Context()
    fmt.Println("server: hello handler started")
    defer fmt.Println("server: hello handler ended")

クライアントに応答を返す前に数秒間待ちます。これは、 実際にサーバーがする何らかのタスクをシミュレートしています。 タスクを実行する間、コンテキストの Done() チャネルを監視し、 シグナルがあれば可能な限り早くタスクをキャンセルして制御を戻します。

    select {
    case <-time.After(10 * time.Second):
        fmt.Fprintf(w, "hello\n")
    case <-ctx.Done():

コンテキストの Err() メソッドは、Done() チャネルがクローズされた理由を説明するエラーを返します。

        err := ctx.Err()
        fmt.Println("server:", err)
        internalError := http.StatusInternalServerError
        http.Error(w, err.Error(), internalError)
    }
}
func main() {

前回と同様に、”/hello” ルートに対するハンドラを登録し、 サーバーを開始します。

    http.HandleFunc("/hello", hello)
    http.ListenAndServe(":8090", nil)
}

サーバーをバックグラウンドで実行します。

$ go run context-in-http-servers.go &

クライアントから /hello へのリクエストをシミュレートし、 少し後で Ctrl+C を押してキャンセルのシグナルを送ります。

$ curl localhost:8090/hello
server: hello handler started
^C
server: context canceled
server: hello handler ended

Next example: Spawning Processes.